2013年4月12日金曜日

ただいま




ちょっとだけ、旅をしてきました。
初めての海外一人旅。
5週間という時間はとても短くて、本当にあっという間だった。

一人で旅に出たけれど
本当にひとりぼっちだった時間は少しだけだった気がする。
いろんな街に行って
いろんな人に出会った。
たくさん笑った分だけ別れるのがとても悲しくて。
だけどそれはとても幸せな事なんだ。

さて、そんな私の短い旅の記録を綴ります。
ちょっと長くなるけど暇な人は読んでね。

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最初に降り立ったのはバルセロナ。
アクロポリスという日本人のおじちゃんがやっている宿へ。
このおじちゃん、とても変わった人で、そしてとてもいい人。
モヒート祭りをしたり、最初の夜と最後の朝にはお味噌汁作ってくれたり。
滞在してた3日の内2日間はスペイン人の女の子Faniちゃんと街歩き。
彼女はバルセロナでめちゃんこカワイイアクセサリーを作っている。
私の英語はグッダグダだけど、それでもいろんな話をして
いろんなお店に行って、パエリア食べて、BARに行って。
お互い理解し合いたいってちゃんと思えたら
言葉の壁なんてたいしたことないのかもしれない。
バルセロナを発つ日、彼女はダンスのレッスンをすっぽかして
マドリッドへ向かう夜行バスが出発する時間まで一緒にいてくれた。

早朝のマドリッドに到着。スペインの朝は本当に暗い。
マドリッドではスペイン人テレサの家に泊めてもらった。
彼女はマクロビの料理人。
彼女の作る料理は本当に優しくて愛に満ちていた。
それはもう衝撃的なくらい。
スペインで食べた料理の中で一番心に残ってるのは?って聞かれたら
私は迷わず彼女の作ってくれた料理だと答える。
愛のあるごはん。
私が作りたいのはこんな料理なんだ。
ほっとしてあたたかくなる、思いが込もってるってそういう事なんだと思う。

次の日、マドリッドからバスでトレドに行って
地図がないと言う日本人のお兄さん(世界一周中)と出会い一緒に街をまわった。
久しぶりに日本語が喋れたからたくさん喋った。
またマドリッドに戻って、テレサを紹介してくれたマキコさんに会う。
マキコさんを紹介してくれたのは京都のコンテンポラリーダンサー飯田さん。
マキコさんの彼氏やその友達も交えてみんなでセネガル料理を食べた。
マドリッドは都会過ぎてちょっと苦手だけどマドリッドで会えた人たちは素敵な人達ばかりだった。

翌日、待ちにまったアンダルシアへ!
グラナダ→マラガ→ロンダ→へレス→セビージャと移動。
ひとつひとつ書いてるともう長くなるので簡単に。
グラナダの宿はフェスみたいでとても素敵なところ。
雨ばかりだったけどアルハンブラ宮殿に虹が掛かってとても奇麗だった。
その宿で韓国人男性ジンスと出会う。英語ぺらぺらの建築家。
なんだか意気投合して私がマラガに行った後、彼も一日遅れてまた合流。
そして次の街、ロンダへも一緒に行く事に。
ロンダは本当に美しい所だった。散歩して料理してみんなで食べて
そんなゆるゆるとした時間が過ごせる、アンダルシアで一番好きな場所。
ジンスはとても優しくて頼りになる人で
次の街へも一緒に行こうよ!って言ってくれたけど
なんとなく、「私は一人で行きたい!」って言っちゃいました。
ジンスは寂しそうに宿を発ち、私はもう2泊ロンダに延泊。
日本人のかわいい女の子がいて、その子もロンダが好きになりすぎて延泊してた。
TOEIC900点以上とかのすごいおもしろい子も一晩一緒に過ごして
ジンスがいなくなった夜は3人で女子会みたいになってた。
宿のお姉さん(モロッコ人)もすごく素敵なひとで
ロンダを発つ日はとてもとても寂しくて涙がこぼれた。
ロンダの次はヘレスというシェリー酒の街に向かった。
でも、すごく楽しみにしてたはずなにロンダシックでちょっとしょんぼり気味。

しょんぼりしてても仕方ないので気を取り直していざセビージャへ。
この時は「さあセビージャの次はポルトガルだぞ!!」と意気込んでた。はずだったのに。

ここから旅が思いもよらぬ方向へ。

セビージャでは、宿がビバリーヒルズみたいだったり
クラブに行って逃げ出して朝の真っ暗な街で2時間くらい迷って泣いたり
ホテルの鍵なくしたりまあいろいろあったんだけど、それはさて置き。

明後日にはポルトガル!宿のブッキングも完了!という夜に日本人のお兄さんに出会った。
なんかえらい派手なん来たな、でも面白そうな人。ていうのが初印象。
彼は次の日の朝、モロッコに行くと言う。モロッコやばいぜ!と。
あぁーモロッコかー行きたかったけどやめちゃったんだよなぁとか話しながら
その夜はもう一人いた日本人の男の子と3人でフラメンコ見に行ったりバルに行ったりして
そして、彼は翌朝モロッコへと旅立って行った。
私はもう一日セビージャでバル巡り。なんでだか朝からソワソワしてた。
また別の日本人でセビージャのバルで働いてたっていう面白いお兄さんにいろいろ案内してもらう。
知らない料理もたくさん教えてくれた。

さて宿に戻ってみるとまだソワソワしてる。あれ?なんだこれ?
気がついたら体が勝手にそうしたみたいにポルトガルの宿をキャンセルしてた。キャンセル料は2泊分。
そして前日会ったお兄さんにこんなメッセージを送ってた。
「モロッコ行こうと思います!」
メッセージを送った瞬間、ソワソワがワクワクに変わって
結局その夜は一睡も出来なかった。

あの時はなんだかとても不思議だったけれど
直感だけに従った私のこの選択は間違いじゃなかったと後になって気づく事になる。

早朝のバスに乗って港に着いてタンジェ行きのフェリーに乗って
モロッコに向かう間もずっとワクワクしてた。
なんだかちょっとした冒険のような気分。

「フェリーの中で同じ街に向かう仲間を5人集めてタクシーで来い」
という無茶なミッションを与えられ
日本人ひとりもいないフェリーの中さんざん聞いてまわったけど見つからず
最終的にモロッコ人の女の子と友達になって
「大丈夫大丈夫!タクシー乗り場行ったら絶対みつかるって!」
と言われ安心して探すのやめてその子とずっと喋ってる間に到着して
いざタクシー乗り場行ってみたらシャウエンに行くなんて人は一人もいなくて
他の街に向かう連中はちゃっかりみんな仲間見つけてどんどん出発し、誰もいなくなったタクシー乗り場で
「うぎゃああーーーーん!いやだあああ!!!!」ってもう思いっきり日本語で
叫んでダダこねてたら(半泣き状態)タクシーの運転手さんみんな集まって来て
最終的にものすごいマケてくれてシャウエンまで連れて行ってくれました。

そんなこんなで辿り着いた青い街シャウエン、一瞬で虜になってしまった。
宿にいくと、セビージャで会ったお兄さん、そして日本人の陶芸家夫婦が待っていてくれた。
この3人とはとても長い時間を供に過ごす事になる。
彼らと出会ってから、私はずーっと笑ってばかりいた気がする。

みんなジュラバというモロッコの民族衣装?みたいなのを持ってて
「えーそんなん絶対いらんわー」とか言ってた私も結局買ってしまった。しかも2着。おそるべしモロッコ。
シャウエンでの愉快な数日間を経て、次に目指すは、そう。サハラ砂漠!!

まさか自分が砂漠へ行く事になろうとは。
だけど今では、あの場所に行かずに帰ってくるなんて考えられない。
私が砂漠に行く事ができたのはセビージャで出会った彼のおかげだ。

彼はタニザワトモフミという世界一周中のミュージシャン。
http://tanizawatomofumi.com/

一緒に旅をしている間、何度も彼の歌を聴く事が出来た。
シャウエンの街で、夕日が沈む砂漠で、蝋燭の灯りだけ灯ったテントの中で。
彼が歌ってる間、皆しんとして聴き入った。涙が出る事も何度かあった。とてもとても贅沢で幸せな時間。
私はこの歌を聴くためにここまで来たのかもしれない、と思う程、本当に素敵であたたかい歌だった。


そんなすばらしい音楽家や
魔法使いと呼ばれた宿の主オマール
いくつもの伝説を生み出した陶芸家と
最後の夜に全員を笑い死にさせかけたその妻
アルガンオイルと旅する羽目になったもう一人の陶芸家
もうほとんど現地の人と化してる美しいお姉さん
プロポーズの為に旅してるプラネタリウムの解説者

気がついたら大好きな人がどんどん増えていた。

私が料理を作ってみんなで食べて
なーんにもしない日もあって
でも毎日何かしらでゲラゲラ笑って
毎晩寝転がって星空を見て

砂漠で過ごした一週間は本当に夢のようだった。
きっとおばあちゃんになっても忘れないだろうな。

短い時間しか旅することが出来なかった私が
偶然にもあのタイミングで砂漠に行ってみんなに会えた。
ラッキーとしか言いようがない。
私以外の人達は皆、長く旅をしている人ばかりで、
その長い時間の中の一部分になれた事をとても嬉しく思う。

どうか、彼らがこの先も
たくさんの人達や
想像もしなかった出来事や
身震いするような光景や
そんなものに出会いながら
元気に旅を続けられますように。

そしてまたどこかで出会ったらその話を聞かせて欲しい。

私もいろいろ頑張らなくちゃ。
皆に届くように。負けないように。

砂漠編でクライマックスみたいになっちゃったな。

この後、スペインに戻りコルドバに行き
スペイン平和やなーとか言って油断してたらiPhone盗まれ
マドリッドでゲルニカを見て風車の街へ行って
バルセロナに戻りバルセロナでも色んなもの無くして
それから日本へ飛び立ちました。
最後の一週間も実はとてもとても幸せな時間だったのだけれど
その話はまたいつか。


おしまい




















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